「気密」と「換気」

2013.04.16

【ポイント】
寒い時期にお伺いしたお宅で寒さ解消の相談を受けました。 築30年以上の木造住宅ですが手持ちのあらゆる暖房器(エアコン・ファンヒーター・ホットカーペット・コタツに赤外線ランプ)を使っても寒くて仕方ないそうです。
室内を調査すると床は断熱なし、壁は不明ですがサッシはもちろん単板ガラスで気密性能が悪く隙間風を感じました。 結論は断熱の前にサッシを改修して且つ断熱と暖房器の選定を測るべきです。 室内を暖めようとすればするほど上下の温度差が大きくなり足元が冷たく感じます。 当然壁面やサッシガラス面の冷ふく射により体感温度は上がりません。昔の家はどこも同じでもっと劣悪だったはずですが、 寒くて当たり前、厚い防寒服(どてら?)などで対応し畳と障子で冷ふく射を抑えしのいできたものと思います。

自然換気は風と温度差で起きます。特に冬場の温度差換気は外の冷たい空気は重く家の下部から侵入し、 暖かい空気は部屋の上部から抜ける。つまり内外の温度差が大きければ大きいほど隙間風(自然換気)が多くなる。 24時間換気が義務化されて10年になりますが、実態調査では動いているのは30%程度で換気の重要性が解らず無視されている状況です。

従来の隙間だらけの家であれば問題が起きなかったものの、サッシ類の性能の性能が向上しそれなりの気密が向上した昨今自然換気だけでは換気不足。 ところが中途半端な気密で機械換気をしても、上下の温度差が激しくなり。 寒い・電気代がもったいない・うるさいなどでスイッチを切ることになります。
アイシネンを使った高気密・高断熱住宅では上下の温度差が少ないことは何度も検証・報告してきましたが、隙間風の影響が少ないことが大きく寄与しております。空気の入りと出をしっかりと計画し換気を行うことで熱ロスも少なく室内の空気環境を新鮮に保ち、結露カビの発生を防ぎます。 そのためには寒くない家創りをしたうえで気密と換気の重要性がもっと認知されなければなりません。

130416-01


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