【ポイント】
10月に入りしばらくはエアコン不要の過ごしやすいひと時がおくれそうですが、しばらくすると暖房の助けを仰ぎ、それとともに冬型結露との戦い(メインは世の奥様方)も始まります。
■建物の結露には冬型と夏型結露があります、どちらも室内と屋外との温度差が露点(結露が始まる)温度に達したときに発生します。
冬の結露は皆さんよくご存知ですが、夏の結露は2通りあってクーラーによる室内と屋外の温度差逆転によるものと、地熱によるものがあります。
アイシネンによる基礎断熱の効果を説明する場合も、地中の温度は1年を通して14~16℃を保ちベタ基礎の表面でも外気熱を遮断すれば12~18℃で冷暖房にプラスに作用する効果が得られことをお話しておりますが、この土間の温度と夏場の外気温が直接接すると結露が発生する可能性があります、そこで熱の伝わりやすい影響部のコンクリートを断熱することになります。
■夏は湿度が高いことが多く、温度差の割には結露が起き易くなります、例えば飽和絶対湿度30℃の空気が1立方mに保てる水分は30.4gで15℃の場合は12.8gになり、単純に絶対湿度100%の30℃の空気が15℃の空気に接した場合には17.6gの水が結露水として発生することになります。
つまり30℃70%の湿度では29.7gの水分を含むことになり、15℃までに急激に冷やされると16.9gもの結露水が発生し、サッシやガラス面に水滴が現れることになります。
■窓枠まで濡れ、カーテンをぬらしてカビが生え奥様方の頭を悩ませる訳ですが、表に出てくる結露は、しっかりした24時間換気などでかなり抑えることも出来ます、厄介なのは壁の中や床下などの目に見えないところで起こる場合です。
■ご存知の通り自然界で一番熱伝導率が低い(断熱値が高い)ものは空気で0.0207kcal/mh℃です、これはアイシネンが99%の動かない空気のフォームで実力値が0.021と評価されることに合致します。ところが水は0.501で空気の24倍も熱を通しやすくなります、つまり壁の中などで一旦結露を起こすと乾燥できずに、断熱値が落ちるとともに一層結露がひどくなってしまいます。
■結果は次の写真のように、腐朽菌により木材が腐ったりシロアリが好む環境を作り上げ、家全体までも取り返しつかない状態にまでダメージを与えることになります。
■長期優良住宅の基本は結露を発生させないことが大変重要だと思います。