気温と接触面での温度??

【ポイント】
以前に本部からいただいていた情報です、どうしても米国からの流れで解り辛い表現が多いので、理解に苦しむかもしれませんが、解りやすくまとめてみました。
                                
皆さん快適な気温というのは何℃と思いますか? 当然湿度も関係してきますが米国空調学界では快適性指標(SET)という事で以下の様な定義をしています。

  「温熱感覚および放熱量が実在環境におけるものと
               同等になるような相対湿度50%の標準環境の気温」


  (本当に分りにくい!!ですね)

この定義から一体何℃なら?と当然答えを期待しますね。
毛穴の開き方に影響するので全国共通の指標はない様です。日本人を被験者とした実験に基く快適指標と温冷感の関係から中立の温度感覚(やや涼しい~やや暖かい)の範囲として、SET≒22~26℃を中立の温度感覚の範囲としている様です。

さて、この温度は体感温度です。居室内で温度差がなければ、また相対湿度が比較的低ければ(冬は高ければ)、個人差はありますが、18℃~28℃でもよいと思います。
(省エネの観点から寒く暑く感じなければ良しと考えます)
上記は別にして、この温度が建材の温度であったら、触った時にはやや冷たいと感じませんか? 極端に言えば30℃でも暖かいとはいえません。気温が30℃というと実際には相当暑いのですが、しかしお風呂の湯の温度が30℃であっても温かいとは感じない、寒くてどうしようもないですね。
冬場、金属パネルが室内に設置され、内部に30℃の温水(?)が流れておればパネルは触っても温かくないですが、そばにいると暖かく感じます。これが放射熱(輻射熱)です。

これを上手く居室に取り入れる事ができるとよいですね。インテリア的な要素も検討せねばなりませんが、結構やさしい温熱環境が得られると思います。
ピーエス工業㈱サンは、元々加湿機、除湿機メーカーですが、放射熱を利用した冷暖房システムの専門です。一度HP(www.ps-group.co.jp)をご覧になって参考にして頂くと面白いと思います。

同社のコンセプトの中には、パネルの表面にわざと表面結露を発生させ、例えばワイン保存ルームの湿度調整と低温維持を提案しています。保存する対象物により湿度設定は微妙に異なるそうです。                        
ここ熊本にもショールームがあり、いつでも体感することができます、そしてアイシネン断熱との組み合わせで、快適生活環境をクリエートして好評をはくしています。
話は長くなりますが、いずれも室内の温熱環境を整えるには断熱が必要です。断熱は5つの効果があるのです。

(近畿大 岩前先生のセミナーより)
   1.冷暖房エネルギーを抑制する。   >>>省エネ&省コスト
   2.自然室温を高くする( 低くする )
   3.体感温度を高くする( 低くする )健康性の向上
   4.足元の温度を高くする  ( 冬  )
   5.最上階の暑さを和らげる ( 夏  )

何度もお知らせしてきましたが、室温と体感温度は異なります。たとえば無断熱の家で暖房して室温が20℃とすると、体感温度は15℃程度だそうです。断熱された住宅で室温が20℃ですと体感温度は19℃との事です。                   
20年前に建てた我が家のベランダですが、当時は住宅の断熱など全く素人で関心も有りませんでした。
当然グラスウールでも入っていれば、十分位の認識だったのですが、ベランダの下つまりリビングルームになりますが、なんとなく大工さんに、断熱材は入るでしょうと聞いたところ、普通ベランダの下に入れることはない、との返事でした。

さすが素人の自分でも、鋼板葺ベランダの下に断熱材なしでは暑いだろうと、自分でスタイロフォームを取り寄せて、木下地垂木間にはめ込みました。



写真のようにベランダの表面温度は夏場60度以上になり、もし断熱材がなかったらリビングに多量の熱が侵入してくることになりますが、上記で述べたように天井面が60度近く温められ、冷房を28℃に設定したとしても、頭部の体感温度は44度に感じます。
厄介なのは、温度を下げると足元だけが冷たくなり、極端な温度差からクーラー病の発症に繋がるわけです。

この状況は事務所などの折板屋根や鋼製外装材で、中途半端な断熱仕様や大きな窓の近くで謙虚に現れます。
いかにしっかりした断熱が重要であり、窓サッシや庇が快適な住環境に影響するかしっかりと認識することが大事です。





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