「省エネを他人事にしない」(木造の持つ可能性に期待)
【ポイント】
日刊木材新聞5月27日に東京大学大学院准教授 前 真之氏が「省エネを他人事にしない」(サブタイトル 木造の持つ可能性に期待)
と題して記事を書いておられます。
2.単に省エネ基準を満たせばよいと考えるだけでは実現できない。
3.今の省エネ基準には気密に関する基準(相当隙間面積C値)がない。
しかし気密をしっかりする、つまり隙間をキチンと塞がないと、断熱材を厚くして高性能なエアコンで暖めても、 温まった軽い空気は上に上り隙間から外へ出て、下の隙間からその分冷たい外気が吸い込まれてくる。この繰り返しで暖房するほど寒くなってしまう。
4.木造住宅の世界では断熱材を厚くして隙間を塞ぐと、木を乾燥状態に保てなくなり、腐朽の要因となる可能性が議論されることがある。 しかし湿気が壁体内に入るのを防ぎ入った湿気は速やかに排出する施工をする、つまり防湿と透湿の機能があれば木を乾燥状態に保つことは出来る。 その施工技術も確立されて、必要な製品もそろっている。
5.そもそも木造は省エネ住宅作りで高いポテンシャルを持っている。 省エネ先進国のドイツでもレンガ作りや鉄骨造に比べ木造は断熱気密がとりやすいと見直されてきている。 日本でも正しく施工された高断熱・高気密の木造住宅は大手の住宅会社より高い断熱性能で差別化できている。
といった内容のものです。
ここで「気密」という意味は水蒸気透過を止めるという意味ではなく、「空気漏れ」をとめるという解釈をしておきたいですね。
つまり、シームレスの断熱層が条件です。
もちろん外壁材でもシームレスが良いということになります。
気密・断熱はシステムですので、 ここの性能だけを評価しても全体がシームレスのエンベロップになっていないと意味がないということになります。
「防湿と透過」の防湿は漏気をとめる機能と理解をしてほしいです。
【参考】 断熱材には“耐湿性”も重要な機能です。
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