後悔しない家を建てるためには
【ポイント】
前回の記事では、消費者の断熱に関する意識が高まっている反面、建築後断熱などの不足により後悔する施主がたくさん居るという現状を紹介しました。
1.家づくりの本質を見極める
何のために家を建てるのか ⇒ 「幸せ」を得るため!
全ての建て主は、今より安全で、安心で、健康で且つ豊かな生活を求めて新築やリフォームを計画します。
つまり、家は幸せに暮らすためのものです。
間違えていけないことは、家はあくまで器であり、大事なのは器の中身の生活ということです。
後悔しない家を建てるには「生活」に焦点を当てることが重要です。
(もちろん器が堅固であることも)
そこで室内の温熱環境がいかに生活に密着しているか容易に理解できるはずです。
2.見えないところにいかにお金をかけるか
建て主の中で断熱が大切という意識は高まっているにもかかわらず、性能不足の家が多い・・・
なぜでしょうか?
受注・設計・施工である注文住宅は、土地探しから始まり、大きさや間取り、デザイン、建材や設備、外構・・・・・と
多くのことを決定していかなければなりません。
幸せな家づくりのためには、膨大な情報を整理し、バランスよく予算を配分する必要があります。
しかし、いざ家づくりが始まると、視覚的に分かりやすいところに重心が偏り、壁の中、床の下などの見えない気密・断熱などが後回しになりがちです。
たまたま、温熱環境に理解のある設計士や工務店に当たればよいのですが、 クライアントがしっかり業者さんへ申し入れをしなければ、壁の中に隠れ、見る機会のない分、安価な断熱材で形だけ済ませ、お金を掛けようとしません。そうなると非常にバランスの悪い家になります。そして、本質から外れた家づくりをしたことに気付くのは入居後の生活が始まり、最初の冬(夏)を迎えたときです。
残るのは、寒くて暑い住まいと長々と続くローン、そして後悔・・・
3.意匠と機能はトレードオフ?
現実問題、超巨匠の建築家が設計した有名な建物で、施主に「私の作る家は寒くて暑い住みにくい家ですが、いいでしょうか?」 と覚悟を確認の上引き受け建築しました。莫大なお金を費やした建物が、わずか築9年で解体され「素晴らしデザイン・フォルム」が写真で残るだけです。 施主も覚悟はしたものの、やはり幸せなくらしはできなかったのでしょう。