夏本番 この夏の暑さにお困りなら

2006.08.02

欠陥住宅の最大の敵と言われる水分ですが、ミニ勉強をしてみました。水分は液体の水であったり、固体の氷であったり、またそれらが気化して気体の水蒸気になったり、非常におもしろい物質ですね。「H2O」という単純なものがどうしてこのように変化できるのか、興味を持つ人も多いでしょう。

当方の興味は、市販の湿気取り(押入れや床下、あるいは乾燥器に使用)がどうして水蒸気を取り込む事ができるのかでした。建材の水蒸気透過を測定する際も、湿気を吸ったシリカゲルの重さを測っています。いずれも空気中の水蒸気が水に変わっているのです。疑問をもたれた方もあるのではないでしょうか?
簡単に言えば水蒸気が物体の表面に触すると、そこで液体の水に変化する現象で、露点に達した時の結露とは異なります。

吸着の度合いは物質により異なります。シリカゲルの場合、多孔質物質なので表面吸着毛管凝縮の2通りの現象がおきる(可逆性もある)との事です。専門的には水蒸気が接触する表面で、ファン・デル・ワールス力や水素結合により化学的に結合して水になるという事です。シリカゲルの場合は表面に多数の表面水酸基(-OH基)があり、この水酸基が吸着において大きな役割を果たしている。また毛管凝縮(小さな孔で水蒸気が凝縮して水になる)がおきて毛細管現象で吸い込まれていくというメカニズムだそうです。セルロースファイバーが調湿作用を持つというのは、吸着度合いが大きいからと言えますただし水の状態が長く続くと熱性能が下がるリスクがあります。やはり撥水性の物がよいと思います。
表面吸着は実はガラスや他の建材でもあり、また乾いたタオルでも量は別にして、液体である水を吸着しています。各材料は大なり小なり水を含有し、外に出さないという性質を持っています。ある一定の範囲(限度まで)保有できます。したがって、露点での結露が生じたとしても保有範囲内であれば問題ないという事になります。当然ながら一日のサイクルの中での吸放出があります。

アイシネンの場合、特殊な多孔質物体であり、フォーム内では急激な温度、湿度変化は起きません。また撥水性もあります。そこで、結露の発生に至らないのです。そして、木と同じように息が出来る程度の蒸気(湿気)の透過あるのに、空気はほとんど通さない(125Paで25㎜厚さの場合0.03L/㎡・sの通気性)素材が大きな特徴になります。何度も述べていますが、空気が簡単に抜けるような素材は断熱材とは思えません。


↑TOP