水蒸気は厄介です

2009.07.16

【ポイント】
最近の蒸し暑さは大変なもので、湿度はなん%かと、温湿度計を見てみると????

温度・湿度計でまちまちの数値………………………….一体どの数値を信じたらよいのか?

090716

仕事柄温度計や温湿度計を各部屋に設置しておりますが、明らかに湿度が低く表示されるのがあり、今回全ての温湿度計をまとめてテーブルの上に置いてみると・・・・

温度計は最低で30.0℃で最高でも31.4℃とほぼ31℃を示していますが、湿度については最低56%~最高76%と20%もの差がありました、一体どの数値を信じたらよいのか?
無理に平均値を出すため8の湿度の上下の2づつの値を無視し4個の平均を取ると69.3%となりましたが、体感的には70%を超えていると思われますので明日の気象庁の12時頃の湿度のデーターを見ることにします。(翌日に13日の気象庁のデーターを見ると平均湿度71%で最少湿度52%とあり、74~5%が現実的でした)
ところで、建物で外壁側に防水透湿シートを貼ると共に屋内側には防湿フィルムを貼るように指導されることがありますが、この防湿シート(ベーパーバリアーシート)についての情報です。

■1 防湿層は住宅を断熱するようになってから、採用されるようになりました、つまり断熱すれば温度差が生じ水蒸気も空気も動き出すからです。主流であったGWなど繊維系の断熱材は隙間があり簡単に空気や蒸気が出入りし対流が起きます、そこで冬場暖房すると室内から壁内へ多量の空気と一緒に水蒸気が浸入するため、室内側でフィルムを貼り水蒸気の移動を止める発想で導入されました、そしてグラスウールの袋入りも開発されました。

■2 ところが、結露の発生を止めることは難しく、被害は全国で発生しています。主な原因は漏気(空気漏れ)です、結局僅かな隙間かあれば温度差によりそこに蒸気の移動が集中し、暖かい蒸気が外部の低温部に接することにより結露が生じ、水として繊維に接し水を保持することで、断熱効果はなくなり結露は増えカビの発生にもつながります、そして、水を取り込み収縮することで、乾燥が難しいことが致命的になりました。

■3 もっと厄介なことが発生、今の話は寒冷地の暖房だけを考えての発想で全国展開されていますが、夏の暑い時期の冷房時のことは全く考慮されていません。冷房した場合は当然外気温度が高く、水蒸気は室外から透湿シートを経て壁内に浸入し、防湿シートでさえぎられ、壁内に蒸気は多量に蓄えられると、室内側の低温部と接し結露を発生させることになります。
両サイドに防湿層を設けるなど論外で、ポテトチップスのアルミパッケージでなければ蒸気を止めることはできません。

■4 水蒸気は厄介です、空気は遮断できても蒸気を止めることはできません、だからこそ調湿可能な材料が多用され、評価を得ています。アイシネンは空気を遮断しつつ僅かながら拡散による蒸気を移動させます、つまり木と同じように息が出来調湿作用を有するのです、もし木材が乾燥していなくとも乾燥を妨げません、また万が一水が浸入しても変形することなく乾燥が可能です。

■5 日本の夏は特に湿度が高く、湿度(蒸気)とうまく付き合わないと不快きまわりない生活を過ごさなければなりません。同じ30℃の室温でも50%の湿度であれば、クーラーなしでも過ごせますが、70%にもなれば、クーラーなしではとてもしごとなど出来たものではありません。

除湿機やエアコンのドライモードを上手に使ってまず湿度を下げ、それでも我慢できな
れば冷房に切り替えるなど、省エネを考えつつこの夏を乗り切りたいものです。


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