現場リポート 既設住宅屋根断熱編 (その3)

2009.09.02

【つづき】

090902-03

在来の天井断熱であれば、基本的に軒部は全て隙間がありますが、明かりが見えるところ、つまり軒に有孔ボードや換気グリルなどのあるところを重点的にふさぎます。

こちらの建物では150×450程度の換気口が数箇所ありましたが、この程度の開口で小屋裏の換気がどれだけ出来るのでしょうか。

送風機も設置し養生や開口ふさぎも終了し、吹き付け作業にしかかります。

屋根野地板受けの垂木の厚みが90mm
今回は屋根断熱厚みを75mm
壁を50mmで計画・施工
基本的に垂木の下面を目安に吹き付け作業を行います

通常スプレーヤーはアイシネン吹き付け作業時には防塵服に防毒マスクを装着します。

2液とエアーをスプレーガンから噴射し、混合することで発泡しますが、そのときに、発泡熱で110℃程度に上がり水分を蒸気として発散します。

そのミスト(蒸気)を直接吸わないようにマスクを装着します、また屋根など上を向いて作業することも多く目を守るためにもフルフェースになります。

今回のマスクは、コンプレッサーから小さなホースで空気を送る掃気マスクを使用しました。

小屋裏はかなりの高温になりスプレーヤーかなりハードな作業になりますが、室温よりかなり低く新鮮な空気があると、体感温度も下がり楽になります。

軒側の屋根が低いところでは天井上に小さな足場板を敷き横ばいになって作業しなければなりません。

いかにやり辛くても隙間をなくして断熱欠損部を創らないことが重要です。

午後になると屋根野地板は46℃まで温度が上がってきました。

この暑さの中の作業から休憩で降りると33℃の気温でも生き返るほど涼しく感じます。やはり人は温度の差によって暑い寒いを感じるものだと実感させられますね。

この断熱前の表面温度は42℃ですが

アイシネンで断熱したところは小屋裏の温度と一緒の36℃を示しています。

窓を開放した室内から小屋裏へ送り込む送風機からの空気の温度は33.5℃を指していますが、小屋裏にいるとこの風を非常に涼しく感じます。

ダクトをつけずに小屋裏でファンを廻していても温度差がなければ風として感じません。
2日間快晴の中悪戦苦闘の作業も終わりました。

今回2階の屋根面積が約150平米褄側や軒部の壁が40平米でした。

お客様からは出来れば1日で終わるよう希望されましたが、この暑い劣悪な環境で足元も悪く、1日半の予定を組みましたが、送風機を入れても1時間以上の連続作業は困難でした。

昼休みを短く時間調整をして取り組んだものの、引き上げ時間は15時になっていました。
今まで、5月から10月の小屋裏作業はお断りしておりましたが、現場状況により夏場でも施工をさせていただくように頑張って行きたいとおもいます。

おまけ

なぜか換気用のアルミダクトが切断されていました、今までは小屋裏は外部扱いでさほど支障はなかったかも?知れませんが、これからは小屋裏も室内と同じ、しっかり接続しておきました。

現場リポート 既設住宅屋根断熱編 (その1)へ戻る

現場リポート 既設住宅屋根断熱編 (その2)へ戻る


↑TOP