小屋裏

2011.06.21

【ポイント】
これから益々暑くなると、小屋裏など見たくものなければ登って見るなどとんでもないことです。
しかし、我々は仕事柄どうしても小屋裏に上がらなければなりません。

110621-01上の写真、とても立派なお宅です。大手のハウスメーカさんにより、10年弱前に建てられました。

建設関連にお勤めのお施主様は、家づくりを熱心に研究され、長い年月を掛けてお決めになりました。

図面の段階から、現場が始まってからも大変な関心を持って細心の注意を払い自分でも管理しながら完成に至りました。

110621-02しかしながら、住まわれた結果ご自宅の暑さ寒さに対して、
また、住み心地の満足度にはほど遠く、断熱改修のご相談を受けました。

110621-03小屋裏を調査すると、さすが大手のハウスメーカーさんです。
壁も天井もそれはみごとに隙間なくグラスウールの100ミリで断熱してありました。
通常は天井断熱の場合、施工しない切妻側の壁にもしっかりとグラスウールが入れられ、屋根下地には木網板を使用し断熱にもかなり気配りされていたと思いますが、
いかんせんグラスウールなどの繊維系の断熱材では限界があったようです。

110621-04結果屋根野地板(木網板)にアイシネン吹付けの屋根断熱をさせていただくことになりました。
そして、充分に広くて高さもある小屋裏空間を有効活用するために、
断熱施工前に床を貼り折り畳み式の簡易階段も取り付けられました 。

通常住宅の小屋裏と言えば、10数年で左の写真のようにほこり積もっていますが、さすがきれいに保たれていました。

しかし、10年前も20年前も小屋裏の温熱環境は最悪ですが、
反って50年前の方が瓦の材質や小屋裏に隙間が多いことから暑さに対しては有利だったと思います。

110621-05左のように50年もたつとホコリだけでなく、砂も多く混じっています。風の強い日は天井の隙間から室内に落ちて汚して
しまうことに

1昨年天井断熱をした阿蘇近辺のお宅では、火山灰が積もっていて、掃除が大変だったことを思い出します。

(小屋裏で写真を撮るとホコリが舞って写真に写ってしまう    
   ことが多々あります

110621-06昔は梁や桁を見せ天井なし・断熱なしの家が当たり前でした。
最近も登り勾配の梁や桁を見せる家が多くなりましたが、さすがに断熱材がなくては暑くて寒くて、光熱費がいかほどかかるか解りません。

写真はむな木・もや・軒桁から束・横架までしっかり養生して野地板受けの垂木60ミリ厚の間に吹き付け、はみ出したアイシネンをカット後に無垢材の板で仕上げとなります。

110621-07写真は2階建をアイシネンで断熱する場合によくあるパターンですが、1階の小屋裏を急遽倉庫にされることが多々あります。
アイシネンの断熱施工後、小屋裏のスペースがもったいないので、2階の居室にドアーを付けて大容量の収納として使われます。

中には1.2m以下の低い小屋裏の空間が一番落ち着いて眠りやすいと寝室にされているところもあるほどです。

(生環ミニ情報 09-06-Ⅱ 小屋裏がいちばん?参照)

110621-08110621-09こちらの場合は、アイシネンを露出したまま倉庫として使われています。
完成見学会の時にこの部屋で話すと、みなさん話し声が全く響かず、もそもそとした声(音)になってしまいました。
外の音が聞こえず中の音も外に聞こえない気密と吸音性の高さによるものです。
(生環ミニ情報 10-05-Ⅰ 完成現場見学会 参照)

以上 小屋裏空間を大事にするにはアイシネンを!


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