建材ほかの熱伝導率と密度比較から判ること

2013.08.16

【ポイント】
断熱材の性能は熱伝導率の数値で表され、伝導率が小さいだけ断熱性能が高くなります。

建 材 類\項目 熱伝導率
・Kcal/mh℃
密 度
・kg/㎡
370 8300
アルミニューム 200 2700
53 7830
ステンレス鋼 15 7400
2~7 ≒2400
0.23 1700
0.58 1280
スギ・ヒノキ 1種 0.12 330~450
松・ラワン等 2種 0.15 480~
コンクリート 1.6 2270
A L C 0.17 500~700
タ イ ル  1.3 2400
石膏ボード 0.22 700~800
石 綿 板 0.744 2240
ガ ラ ス 1 2500
ロックウールフェルト 0.049 30~70
グラスウール10K 0.05 10
グラスウール24K 0.038 24
押出法発泡ポリFⅠ種 0.04 27~29
押出法発泡ポリ F2種 0.034 27~29
押出法発泡ポリ F3種 0.028 27~29
ウレタンF保温板Ⅰ種1号 0.024 45
ウレタンF保温板2種3号 0.024 25
現場発泡硬質ウレタン 0.026 25~
ポリエチレンF (A) 0.038 20~40
吹込みセルロースF 0.04 ≒25
アイシネン 0.035 13
空  気 0.024 1.25
 (新雪) 0.07 100

上の一覧表は建築に使われる主な素材と断熱材ほかの数値です。

先日、最近の異常な暑さのせいか、幼児が鉄製の階段やマンホールに手をついて水膨れを起こすほどの火傷を起こす事故が続いているそうです。
以前にもお知らせしましたが、アルミは鉄より4倍近く熱を通しますが、アルミ建材に触って火傷した話を聞いたことはありませんね。これは密度(質量)から来るもので鉄の1/3程度の軽さと厚みの薄さから、触った瞬間は熱く感じてもすぐに触れたものが熱を奪い去るため、火傷にまで至りません。
鉄のように密度が高く重い素材には大量の熱を蓄熱します。蓄熱暖房に使われる蓄熱料に特に鉄分の多い輸入レンガ採用されるのもこの理屈からです。
瞬間的に火傷する温度は80℃程度からですが、直射日光に当たった鉄は70℃くらいまで温度が上がります。この温度に5秒も触れていたら火傷を起こします。
特に皮膚が薄い幼児は水膨れを起こすほどの症状を起こすので注意が必要です。
外装材のサイディングや瓦も密度が大きく長時間日光が当たると熱を蓄え輻射熱として室内外に影響します。逆に室内に露出する杉材などは断熱値も高くある程度の密度もあり、熱を蓄えて急激な温度変化をセーブする働きがあります。
もちろん、コンクリートは密度が高く蓄熱量も大きいのですが、木材の13倍熱を通し、基本外部に面する使われ方です、そうすると夏にしても冬にしても外部からの熱負荷が室内より大きいため、室内に大きな負荷を与えることになります。そこでRCの場合は外断熱が絶対に有利となります。
自然界では空気が一番断熱値が高いのですが、あくまで乾燥した動かない空気層です。そこでアガラスの空気層12㎜幅が多く乾燥材を入れてあります、新雪の断熱値が高く東北地方の「かまくら」の中が暖かいのが納得できます。
アイシネンも99%動かない空気層を形成します。
そして湿気や水を取りこまず生涯にわたり隙間を発生させず初期の性能を発揮します。また軽く柔らかくて蓄熱をしない事も断熱材の重要なポイントです。


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