アイシネン社の硬質ウレタンMDR 紹介

2014.10.22

【ポイント】
10月に入り朝夕はすっかり涼しくなり陽が落ちるのも早くなりました。すっかり秋です。


硬質ウレタンと云えば、長年発泡剤としてフロン類(CFCやHCFC)を使ってきましたが、 オゾン層を破壊する物質として使用を禁止され2003年末で生産が全廃となりました。 現在ではハイドロフルオロカーボン(HFC)を代替フロンとして使用しています。 それでも温室効果ガスであり、温暖化の原因になるとして、官庁物件では使えなくなりました。


そこで水発砲のウレタンが市場出るようになりましたが、断熱値が低下し収縮や剥離などいろいろな問題が発生し施工業者は敬遠しているようです。 アイシネン社は25年以上前に発泡剤を使わない水発砲としてカナダで開発されています。 当然硬質タイプMDRも完全水発砲です、当社では軟質タイプをお勧めし13年の実績を積んできました。 しかし、どうしても硬質の薄吹タイプを使わなければならない場合があります。


まずはRCの建物で、壁に30㎜程度の木の胴縁(スタッド)取り付け、その厚みの中に納まるようにウレタンを20~25ミリで吹き付けます。 木材にプラスターボードなどを貼るため、木の表面にテープで養生し、吹付が終わったらすべてはがし、出っ張りがあればカットしなければなりません。 左の写真は、ウレタンを薄吹きした後にGLボンドをだんご状に接着しボードを貼るGL工法です。


基本、硬質ウレタンは透湿シートには吹付しません。 数時間熱がこもりシートに悪影響を与えるからです。 また収縮の恐れもありシートを破る場合もあります。 軟質アイシネンの場合は、発泡時瞬時に110℃程度の温度になりますが、すぐに熱が下がるので影響はありません。 そこで通気を兼ねたシートに直接吹付が可能です。(他社の軟質タイプでシート吹きは不可とする製品もあり注意が必要です)


右の写真は折板屋根の金属面にアイシネン直接吹付けています。鉄骨造の場合、揺れや伸縮にも追随でき吸音効果も高い軟質系がお勧めです。 天井に隠れるところは問題ありませんが、露出の場合凸凹が大きく見た目が悪くて敬遠される場合があります。 写真の現場では、隠ぺい部は軟質で露出部に関しては硬質を設計段階で指定していただきました。


硬質に関しては別物として協力業者にお願いしてきましたが、水発砲の硬質ウレタンに関しては施工品質の問題でアイシネン社の硬質タイプMDRを採用しなければならず、 自社で施工することも多くなりました。 (14-05-20でも紹介) 硬質の場合は厚みの調整がやりやすいため、ある程度きれいな納まりが可能です。 フォームの色は在来との違いを識別出来るように薄ピンクの色を付けてあります。 この現場では、この後塗装仕上げとなります。
10年以上も前のNHKクローズアップ現代でニュースされましたが、 フロン規制前に使われたウレタン成型板や現場発泡のフォームの中にいまだに多くのフロンガスが残っており、徐々に放出されているそうです。 そして解体撤去迎えつつある現在一気に大気圏に放出されオゾン層を破壊していきます。 我々は、今まで安易な生活向上のために多くの負の遺産を残してきたことになります。 これからはもっと環境に地球にダメージの少ない選択が重要になります。


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