水蒸気と空気

2006.04.16

今後アイシネン断熱フォームにおける結露問題を理解する上で、基本になる事を取り上げてみました。・・・・それは「大半の水蒸気は空気」によって運ばれるという事です。つまり空気が動かなければ水蒸気も動かないという事です。霧や雲も空気で動きます。ただし温度差(蒸気圧差)で水蒸気が移動する拡散現象というのはあります。
*蒸気(湿気)は暖かいところから冷たい方へ、湿気の多い所から乾燥している所へ移動する空気の流れ(隙間)の影響が1番大きい。
次の図は、拡散のみをイメージしています。(つまりアイシネンフォームでは空気が動かないからです。もちろんフォーム内は99%空気ですが、細かいセルに閉じ込められています。

温度差で侵入した水蒸気は璧内で拡散し、反対側にゆっくり僅かに出ていく室外が室内より温度が高くなるとこの流れが逆になる。要するにわずかながら呼吸をする。

アイシネンの発泡体は連続気泡です、気泡一つ一つがトンネル状に入り組んだ穴があいて空気は遮断するが、水蒸気は僅かに通過するのです。
温度差(蒸気圧差)で物体の中を水蒸気が移動する「拡散」という現象では熱力学的に水蒸気圧がフォームの中で平衡になろうとする動きがあり、実際にはほんの僅かな圧力差で隣接する気泡に連動していきます。つまり一つの気泡だけ水蒸気の濃度が高くなる事はなく、温度の高い方から低い方へ、温度低下と共に水蒸気圧も下がっていきます。
この現象が次々と起きていきます。室温と外気温が逆転すると蒸気の移動は逆になります。つまり呼吸をするという事ですが、これが大切な要素であり、重要な性能です。
通常木材の腐朽がないのはこの呼吸が出来るからです。逆に呼吸困難な状況を意識的に作る、つまり木材を例えばラップなどで包むと水蒸気が逃げずに窒息状態となり、木材をすぐに腐らせてしまいます。璧内に自由に空気が入る場合があります。いくらベイパーバリヤー(防湿)シートを設置しても必ずどこかに隙間が生じます。また繊維系のものは空気が自由にスイスイ通ります。

つまり水蒸気も「拡散」現象ではなく、空気によって侵入するのです。


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