昔から日本家屋は「夏を旨とすべし」

2007.02.22

すっかり春めいてきました、今年は予想通りの暖冬だったようです。それでも、熊本市内で零下5℃や零下3℃のときもあり、3月の初旬までは寒の戻りもあり、油断は禁物です。気温の変化の激しい時期です、体調管理にはお気をつけ下さい。
先月(1月)と今月東京都心と横浜に行く機会がありました、建築関連の仕事に従事する性か、どうしても建築物に目が・・・・特にタワークレーンに目が行ってしまいますが、横浜駅近辺のクレーンの多さには驚かされました。
都心周辺では今もかなりの高層ビルが動いているようです、我々地方の景気回復はいつになるのでしょうか?全く実感が伴いません。

さて、地球の温暖化の影響がいろいろなところで現実化、問題として多く問いただされるようになりました。「チームマイナス6% 」を代表する省エネの多くの取り組みがなされています。私達も出来ることを実践し、早急に広めなければ次世代は大変なことになります。
建築に於いて室内を暖かくすることは意外と簡単に出来ます。部屋を締め切って、隙間なく熱抵抗の大きい断熱材を厚くすれば可能です。
なぜなら、照明器具やTV・PCから特に冷蔵庫などの電気器具からは常に熱が発生され、料理したり人が生活するだけで多くの熱と蒸気を発生させ暖房にプラスに働くからです。
ところが夏は冬のように締め切っていると、壁や屋根から徐々に熱が進入して来ます。どれだけ優れた断熱材でどれだけ厚くしても時間をかけて室内に影響してきます。
特に庇のない窓からの直射日光は多くの熱を取り込んでしまい、一旦室内に取り込んだ熱は外が涼しくなっても、断熱が優れて隙間がない分逃げることなく室内を暑くします。
さらに冬はプラスに働いた生活上の熱も暑さ対策にはマイナス作用になります。

昔から日本家屋は「夏を旨とすべし」とありましたが、現在のような生活環境(狭い敷地・アスファルト・車や室外機の排熱・・・・)では、それだけでは無理でどうしてもエアコンに頼らずにはいられません。
寒い~暖かくなったと言っているうちに、すぐに酷暑の夏がやってきます、そこで、少しでも電気(エネルギー)に頼らないで過ごせる住まいを考えてみました。

 1 各部屋は風が通る2ヶ所以上の窓などの開口を設ける。
 2 サッシや窓は断熱・2重ガラスとする。
 3 雨戸やブラインド・カーテンなどで日差しを遮る手段を設ける。
 4 有効なひさしを設ける。
 5 壁通気工法とし直射日光で壁が焼けた熱を壁体内に取り込む前に外部へ逃がす。
 6 棟換気などを設ける。 屋根からの熱負荷が一番大きい、夏場の天気の良い時の屋根の温度は60℃以上にもなり、小屋裏を50℃以上の   高温にしてしまう。その焼けた屋根材の熱や蒸気を小屋裏に取り込む前に外部へ排出する。
 7 すだれや寒冷紗などを設け、室内側に影響する熱を遮断する。
 8 樹木などによる日陰をつくる。
 9 雨水などを溜めて打ち水をする。
 10 窓の開閉を上手に行い排熱や涼風の取り入れを行う。
 11 扇風機や換気扇を有効に利用する。

夏を涼しくするにはいろいろと工夫と努力が必要ですが、アイシネンがすぐに大いにお役に立ちます。新築から既設の建物までご相談ください。


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