蒸気(湿気・湿度)の制御について

2010.11.15

【ポイント】
すっかり秋らしくなり、北の方では雪の便りも聞かれます、あの暑かった酷暑の夏を過ごしてきたのに、もう暖房の心配をしなければなりません。

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新築住宅でアイシネンの特徴を生かした屋根勾配を見せ梁や桁を見せる吹き抜けの施工をさせていただくことも多くなりました。
当然、露出になる梁や桁をポリマスカー(ポリフィルム)でしっかりと包み養生しなければなりません。

(壁から屋根まで連続して下地透湿シート吹き付け断熱透湿シートとは空気も水も通さないのに蒸気は透す
ポリマスカーで3方包むのであればまだよいのですが写真のように4方向(結果6方)を完全に覆い尽くすと
木材の乾燥(呼吸)を妨げフィルム面に水滴が付いたり木材の表面が変色して、最悪の場合はカビが発生することもあります。
1日程度で済めば良いのですが、このケースの場合は足場も悪く養生だけでも1日かかる場合もあります。
(数日かかるような場合には透湿シートを使用する)
フィルムをはがすと水気がシミとなり、乾燥しても残る場合もあります。
いかに乾燥材を使用してあっても、含水率0%はあり得ませんので、呼吸が出来るような環境が重要になります。
アイシネンは空気をほとんど透過させないのに、蒸気圧の差で僅かながら蒸気の移動が出来ます。
蒸気圧の差とは、湿気の多いところから乾燥してる方へ移動すること、つまり調湿することです。
何度も述べてきましたが、蒸気を止めることはポテトチップスなどのアルミ箔でも使わない限りできません。
それだからこそ、中途半端な防湿フィルなど使ってピンホール箇所に蒸気が集中して結露が発生しないように、家全体で呼吸出来る様な造りが重要になります。
最近ビニールクロスから塗り壁が見直されてきたのも理解できるところですが、くれぐれも隙間のある家が呼吸できる家ではありません、勘違いなきように!


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