すきま風(冷気)の弊害

2015.01.05

【ポイント】
老舗の安宿に宿泊して隙間風の弊害を体感し、今まで隙間風による温度差を何度も報告してきましたが、 たまたま持っていた赤外線放射温度計で測定できたのでお知らせいたします。


天草に工事などの用事で宿泊する時に30年以上前から利用している旅館ですが。今回は新築内覧会のお手伝いで12月20日に宿泊しました。
いつもは2階の部屋ですが、一人部屋が塞がっていて初めて1階に泊まることになりました。
早速エアコンの暖房を入れると、なぜか温度設定が最高の30度でした、当然24度に設定して暖房運転を開始


ところが、お風呂に入って帰って来て1時間も経つのに一向に暖まりません。
エアコンの吹き出し口の温度を測ると一般の吹き出し温度より低いものの、それなりの温風は出ていました。
(エアコンの場合吹き出し温度はファンヒーターや蓄暖に比べて低く風量を多くして温度を上げるが、 冷え切った室温では暖かい風が出るまでに時間がかかり寒く感じる場合があります)


その夜さほど室温が上がらないまま、エアコンを止めてふとんにくるまって寝ましたが、布団の中でも寒く夜中目を覚ますほどでした。
翌朝食事を済ませて、時間があったので温度を測定してみました。
するとエアコンの吸い込み口は30℃で天井面は22℃ですが、壁の下の方は11℃で、畳の縁付近は10℃です。


畳の縁に手を当ててみると、風を感じるほどの冷気が入っていました。
そうです暖房を入れて室温を上げると、暖かい空気は上昇し隙間だらけの天井から抜けて行き、畳の縁から外気がどんどん入り、 畳に敷いた布団に直接冷気を感じ布団の中も暖まらなかったのでしょう。
なんと天井面と床面の温度が10℃以上の差があり、 どれだけエアコンの温度を上げても天井面だけ暖まり人がくつろぐべき床近辺は暖かくなることはありません。


内覧会会場に行き温度を測ってみました。
40坪弱の木造2階建てです、1階のLDKと2階の寝室にエアコンが設置され20℃設定運転でした。

1階のエアコン付近の温度が22℃


1階開け放した和室の温度は19度

通常室温が19度では寒く感じ温度を上げたくなりますが、アイシネン断熱で高性能サッシを使っていれば不思議と寒く感じません。
出来るだけ低めの設定温度をお勧めします、夏と同じで外との大きな温度差は決して体にいいことだとは思いません、冬は寒いものです。


1階玄関の出入りの多い一番寒いところが17℃

ご来場のお客様にも赤外線放射温度計を使って、各部屋の天井・壁・床面及びガラスやアルミ面の温度を見ていただいていますが、 上下の温度差がない事と各部屋との温度差が少ない事に、皆さん一様に驚いていらっしゃいました。
快適生活環境をクリエートするには気密断熱と高性能サッシ及び換気(掃気)が重要ですね。


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