日本の住宅、なぜ寒いの?

2015.01.16

【ポイント】
1月7日の日本経済新聞に表記のような記事が掲載され、業界はじめ一般の方々にも話題になっています。 やっと大手新聞社、特に経済新聞に取り上げられたことは意義深いことと思います。

  1. 記事を要約すると日本は昔からコタツを代表とする局所暖房で暖を取り、冬は寒いのが当たり前で寒さに耐え辛抱して生活する習慣がついている。 家庭1世帯当たりの暖房用のエネルギー消費量は欧米諸国や韓国に比べてでも半分以下で 断熱効率を上げてもさほど省エネに寄与できないため、国としてなおざりにされていた。
  2. 「家は夏を旨とすべし」と昔から土壁と屋根瓦の下に土を敷き込むことにより、 また濡れ縁を設け軒を大きく出すことにより、暑さに関してはそれなりの効果があり、 冬は隙間だらけで外気温と同じでも衣類や布団に包まり長年凌いできたようです。
    その遺伝子のせいでしょうか、生活スタイルが変わり、周りの環境が変わった今でも、我々の年代では当たり前の感さえあります。
    「夏涼しくない家でも冬は寒さに耐えるのが日本の伝統である」??
  3. 低温は万病のもと・・・と云われるほど「心疾患」「脳血管疾患」「呼吸器疾患」などなど冬の寒さが大きな原因になります。
    そして急激な温度変化で体調が急変する「ヒートショック」。入浴中の事故死だけで交通事故死の4倍にもなります。
    健全な室内環境にすることにより、医療費にかかる費用の削減にも寄与するのですが。
  4. ‘99年に大きく改正された省エネ基準は’13年改正では据え置きで、給湯やエアコン・照明 など設備機器の効率・省エネの性能にシフトされてしまいました。
    断熱・気密・窓の性能基準は諸外国に遅れたまま現在に至っていますが、 昨年やっと高性能トリプル窓サッシ類が発表され、やっと業界も重い腰を上げた感があります。
    それは2020年までに省エネ基準義務化が目前に迫り、業界も今から気密断熱に関して真摯に取り組み実践しなければならないのです。
  5. いままでは行政の規制が弱く、取り組みに消極的な業界関係者が多かったため、 断熱性能を高めた快適な家に住めるかどうかは「消費者の意識次第」です。
    これからの家創りは、断熱のプロが施工できるところに依頼することです。
    窓開口部を含めたシステムとして考えなければ住み心地の良い家は出来ません、そして決して「家は冬をむねとすべし」ではありません。

出来る限り冷暖房に頼らなくても冬は暖かく夏は涼しく暮らせる快適な家であること


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