気密・断熱・換気の3つが揃ってシステムとして機能する

2016.12.01

寒くなってくると良くお客様、施主さんより「24時間換気のスイッチを切っています」という話を耳にします。ほぼ、暖房器具で暖められた暖気が逃げていくからという考えだと思います。単純に考えるとそうなりがちですが、2003年に24時間換気が義務付けられている中、気密化が図られている住宅で換気を行わないとどうなるでしょうか?

極端なやり方ですが、一番分かりやすい所が浴室なので簡単な実験をしてみました。

浴槽にお湯を溜め、換気扇を回しながらサーモグラフィーで撮影してみると、外気が侵入しやすいレール周りは青く表示されます。この状態では結露は見られません。次に、換気扇のスイッチを止めてしばらく観察してみると、窓から枠にかけて多くの水滴が付き始めます。これが俗に言う結露にあたります。

また、水蒸気移動というのは99%空気の移動によって起きますので、換気がいかに重要かという事が分かると思います。

また、次に心配になる換気による熱損失についてですが、建築基準の様に2時間に1回、部屋の空気を入れ替えたら余計電気代が高くついてしまうんじゃないの?という方がまだ多くいらっしゃるのは事実です。しかし、これが本当ならば高気密・高断熱は普及しませんでしたし、現在ここまで普及したのは言うまでもなく、多くの実績と確かな効果ではないでしょうか。

冬場に換気で流出する熱量は約15%程度です。

私自身も、実際に高気密・高断熱の住宅を建築し住み始めて早一年が経過しようとしています。そんな中、3種換気を採用し吸気口の下で就寝していますが、換気による冷気を感じたことはありません。またエアコンを切っても一日程度なら暖気は残っています。この経験からいえば、断熱気密が出来ている住宅は24時間換気程度で全ての暖気は入れ替わらないと言えます。

それ以上に、左図の様に窓の性能を上げて窓からの熱損失を止めるべきです。

 


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