A社発泡断熱材とアイシネンの根本的違い

2013.05.02

【ポイント】
先日4月24日にA社の通称100倍現場発泡断熱材のサンプルを入手したので、久しぶりにアイシネンとの吸湿(吸水)性の比較をしてみました。 以前の性能が改善されたのか検証しました。

130502-01まず23日に吹付け現場を工務店さんの了解を頂いて見学いたしました。 基本アイシネンの施工方法と何ら変わりませんが、1つだけ違うのは2液の内のレジンというドラム缶のケミカルをアイシネンでは30分から1時間程度撹拌し且つ撹拌しながら 液を充分に混ぜ合わせて吹付けを行う点です。 当然他社とのレジンの成分が違うことが推測出来ます。
吹付け材はアイシネンに比べてかなり重く硬い感じがします、表面は大きな凹凸はないものの、小さなデコボコがありアイシネンのようななめらかさはありません。 また臭いに関してはアイシネンに比べて強く感じました。

130502-02フォームの内部はきめ細かくきれいに見えますが、発泡率はアイシネンの約100倍に対して70~80倍程度と思われます。
カットしてみると、80ミリ厚で30と50ミリの2回吹きで施工されており、 現場の作業時も壁を2~3重吹きで施工されておりました。
建築用硬質ウレタンで30㎜以上の厚みの場合必ず2回3回と重ね吹きを行います。

130502-03これは、1度に規定以上の厚みの吹付けを行うと熱がこもり、2次発泡を起こすことで大きな空洞を作るからですが、2回吹きの意味は不明です・・・・
次にA社とアイシネンのサンプルを同じ大きさにカットしてピンクに色付けした水の上に乗せてみました。
4月27日15時28分に2個のサンプルを浮かべました。

130502-04わずか13分後の15時41分にはA社のサンプルにはかなりの水分を吸い上げてピンクの色が見えます。
(参考資料)
     通気性(空気透過) 透湿抵抗値
アイシネン 0.003L/m.s 0.73㎡hmmHg/g
A社フォーム 0.3 L/m.s  4.76㎡hmmHg/g

A社はアイシネンの100倍空気を通すのに蒸気は15%程度しか抜けない。
つまり蒸気をフォーム内に蓄える。

130502-05A社のフォームは数時間でトレーの水をほぼ吸い上げ、アイシネンは水に接する面が濡れ薄く色着く程度です。
翌日朝7:29にはトレーの水はA社のフォームに完璧に吸い上げられ、アイシネンのフォームは乾燥した状態です。
両サンプルの重さを測ってみるとA社は55gでアイシネンは1gで一切水分を取り込んでいません。
この違いはフォーム自体の違いによるものです。

130502-06水( 蒸気 )を取り込むと何が問題か??
フォームを透湿シートやコンクリートに吹き付けた場合、 コンクリートやシートが濡れたり極端に湿気が多い場合
A社のフォームは徐々に湿気や水分を吸い込むことになります。
断熱材は動かない空気の層で断熱性能を発揮しますが水分を取り込んだ発泡体は極端に断熱効果が低下します。

130502-07空気の熱伝導率は0.02070で水は0.501Kcal/mh℃と約24倍もの熱を通すことになり杉材の5倍の熱透過となり、断熱材の意味をなさなくなります。
当初はアイシネンとさほど変わらない効果があるものの年数と共に効果が薄れてきます。
建物は5年10年で考えるものではなく30年50年住み続け継続しなければなりません。
そして壁内結露でも起きて、木材でも腐ってきたらどうしますか?

130502-08最近急速に営業力と低価格でシェアーを広げている業者がありますが、金額だけで対応していくと将来大きな問題を引き起こすことになるかもしれません。
アイシネンは当初の性能が生涯変わらない唯一保証出来るフォームであり、20年以上の実績とワールドワイドな世界に通用するシステムです。

引き続き収縮問題も検証を続けます、アイシネンファンの皆様ご期待ください。


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